起業したり、個人的に活動を開始したりすると、どうやって利益を上げていけば良いのかと考えることが多いのではないでしょうか。「広告や宣伝をメディアを使って行う」「ブログやホームページを作る」など、いろいろな戦略が思い浮かぶ事と思います。

しかし、広告を使った営業戦略は、残念ながら利益に直接結びつきません。

九星気学のベースとなる「五行説(ごぎょうせつ)」の教えの中には、確実に利益を上げる考え方が、的確に伝えられています。この考え方は、アメリカの経済大学でも使用されるほどの深い思想です。

このページでは、五行説を使って、利益を上げるための考え方についてお伝えしていきます。

もくじ

五行説(ごぎょうせつ)とは

自然界に存在するすべての物事は「木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)」の5つの要素に分けることができると考えました。

この5つの要素を「気」とよび、これら5つの性質が循環し、神羅万象を作り出しているとするのが、五行説(ごぎょうせつ)です。5つの気は、それぞれ活かしあったり、攻撃したりする関係性を持ちます。下の図の矢印で示す関係性です。

相性の良い関係性を緑の矢印で示し「相生(そうじょう)」といいます。また、相性の悪い関係性は、黒い矢印で示した「相剋(そうこく)」です。矢印は一方通行で、逆にはなりません。

「相生」は下記のように、生み出される関係性です。

  • 木生火(もくしょうか)…木は火を生みて燃やす
  • 火生土(かしょうど)…火は燃え尽きて灰となり、土となりて帰す
  • 土生金(どしょうきん)…土の中から金属が生まれる
  • 金生水(きんしょうすい)…金属の表面に水滴が生まれる
  • 水生木(すいしょうもく)…水は木を育て、枝は水によりて生う

一方、「相剋」は下記のように、攻撃性のある関係性となります。

  • 木剋土(もくこくど)…木は土を剋して養分を吸い上げる
  • 土剋水(どこくすい)…土は水を剋して濁らせ、せき止める
  • 水剋火(すいこくか)…水は火を剋して消す
  • 火剋金(かこくきん)…火は金属を剋して溶かす
  • 金剋木(きんこくもく)…金属の刃物が木を剋して切る

この図から、経済を読み解いてみましょう。

五行から読む利益の上げ方

今ほどご紹介した五行の5つの要素は、下記のようなエネルギーを持っています。

  • 木(もく)…営業、発展、拡大、行動、進展
  • 火(か)…目標、情熱、知恵、使命感、旺盛
  • 土(ど)…技術、基礎、忍耐、継続、達成
  • 金(ごん)…経済力、利益、悦び、成果、成功
  • 水(すい)…人間関係、健康、人材、家庭

これらの要素のうち、どれが欠けても物事はうまくいきません。

事業を展開する際には、売り上げをあげることが大切です。売り上げは五行で「金」が担当します。利益を上げたいと考えたときに、思いつくのは広告や宣伝を強化することではないでしょうか。

五行では、広告や宣伝は「木」の性質を持つ分野です。上の図を見ていただくとお気づきのように、「金」と「木」は相剋関係となります。つまり、いくら広告や宣伝に資金投入をしても、利益は上がらないのです。その逆で、広告宣伝費が利益を圧迫します。

それでは、どうしたら良いのでしょうか。

効率よく利益を上げるには

利益や成果を担当する「金」と相性の良い性質は、「土」と「水」です。この2つの分野を強化すれば、エネルギーが循環して、売り上げが上がっていきます。

まずは、「金」から矢印が出ている「水」について考えていきましょう。

「水」は人間関係を担当します。売り上げを拡大させるには、スタッフ同士の人間関係が大切だと説いているのです。また、自分が事業を展開するうえで関係する身近な人たちとの関係性も良好になるよう努めるよう説いているのです。

そう言われたら、確かにそうだなと思うのではないでしょうか。

自分の扱う商品を作ってくれる工場、商品を届けてくれる運送屋さんなど、自分を支えてくれる人との関係性を良くすることが大切なのです。身近な人を幸せにできない人が、遠くのお客様を喜ばせることはできません。スタッフ間の関係性が悪いお店から「物を買いたい」「もう一度行きたい」とは思わないものです。

また、係わる人たちとの人間関係を円滑にしておくことで、口コミが起こってきます。

口コミは「木」の要素です。物を買う時に、知り合いの誰かが「あれは良かったよ」と言っているものを買いたいと思いませんか?

売り上げに人間関係が大切と説く理由

私がアドバイスさせていただいているクライアントさんで、フランチャイズの学習塾を営んでいる方がいらっしゃいます。本部から広告宣伝をするように促されるため、新聞折込チラシを入れるけれど、まったく反応がないそうです。

そこで、この方に、五行に基づく広告と売り上げの関係をお伝えしました。そして、現在通ってくれている生徒さんに、お友達を誘って気軽に参加できるイベントを企画してみてはどうかと提案したのです。夏休みが間近だったこともあり、さっそく企画し開催したところ、入塾者が増え、今では教室がいっぱいで時間配分に困っているくらいだと報告をいただきました。

例えば、どの学習塾へ入ろうか悩んでいたとします。折込チラシで気になった場合、その塾へ通っている友達を探して様子を伺いませんか?すでに通っている子が、良い先生だとか、雰囲気が良いなどとひとこと言ってくれると通わせたくなるものです。

広告宣伝の効果は人の力が影響する

上記のように、メディアを使用した広告宣伝は、知ってもらうことをだけを目的とした場合は良いでしょう。しかし、売り上げにつながるための宣伝広告は、人を介して広がっていくのです。

人は、良いものを見つけたり、触れたりすると誰かに言いたくなります。「こんな良いものがあるんだよ」とついつい何かのタイミングで言ってしまうのです。それが本当の宣伝広告の効果と言えるのではないでしょうか。

こうして、どんどん広がっていく流れが正しい広告宣伝なのです。

新たな目標設定と技術力・達成力が売り上げにつながる

どんどんあなたが扱う商品の評価が高まり、広がりを感じてくると、今度はさらなる目標が生まれてきます。

情熱と使命感を持って、もっと皆さんに役に立つためにはどうしたら良いのかと考え始めるのではないでしょうか。それが、「火」のエネルギーです。

やりがい、使命感、目標、知恵、情熱、生きがいを担当する「火」のエネルギーは、「木」の持つ広がりと「土」の持つ技術と継続のエネルギーによって、さらに強く大きくなります。

「土」のエネルギーとは、忍耐、継続、達成する力、独自技術、得意技です。

人に認めてもらって、さらに良くなるための目標を設定し、知恵とアイディアを出し、独自の技術を生み、それを磨き、コツコツと安定した継続力と忍耐で目標達成するからこそ、収益が上がるのです。

経済の流れに逆流は無い

ときどき、「土」の性質である、技術を磨けば収益が上がると考えている方がいらっしゃいます。エステやネイルなどの美容系のサロンを個人で展開されている方に多い考え方です。

「あの講座を受講すれば、お客さんが来てくれるのではないか」「売り上げが上がらないのは、あの資格がないからでは?」と考える傾向があります。そのような考えでいると、どんどんいろいろな講座や研修を受け、受講費や旅費交通費がかさみ、運営が行きづまり、苦しい経営状況になってしまうのです。

収益を担当する「金」と、技術力を担当する「土」は確かに相性が良く、繋がりあう関係性なので、それも1つの要因としてあるかもしれません。

しかし、「金」からみて「土」は矢印の流れが逆なのです。矢印の通りにエネルギーを流さなくては、良い循環にならないと五行説は説いています。ですから、技術ばかりを磨き、「土」のエネルギーを高めるだけで、「水」のエネルギーへと流さないと収益にならないのです。

つまり、技術はあっても、人へ伝える力が無いと売り上げは上がらないと言えるでしょう。

まとめ

ここまで述べてきたように、利益を上げるためには、営業を強化し、広告宣伝費を必要以上に増やす必要はありません。

まずは、社内の人間関係やスタッフ同士の関わり合いを見直したり、身近な人たちとの関係性を良くするように対策を打つことが大切なのです。

スタッフ間のつながりが良好で、信頼関係がしっかりとできていると、意欲的に仕事に取り組んでもらえます。また、さらに会社を良くしようとアイディアを積極的に提案してくれるでしょう。

逆に、雰囲気が悪く、何か一つ意見を言おうとしても、ぎくしゃくした関係性だったり、信頼関係のない上下関係だったりする場合、何か名案が思いついても実現されることは無いのではないでしょうか。

収益をあげたい場合は、まず、五行説をしっかりと理解し、エネルギーを自然の摂理にのっとって流すことが大切なのです。