人口の多い地域や商店街では、店舗やオフィスが1階にあり、2階以降に住まいをしている物件をよく見かけます。起業に際して、オフィスや店舗などをどこに構えるか考えたときに、つい1階を事業に使用して2階以降を住宅として使用すれば、効率的に土地を活用できると考えがちです。

しかし、このような形状で店舗を運営し、居住することは、家相や風水の観点から見るとお勧めできません。

その理由はなぜでしょうか。

このページでは、1階を店舗やオフィスとして使用し、2階以降を住居とする店舗兼用住宅の良し悪しについて解説していきます。

もくじ

1階から得られるエネルギー

人は、寝ている間に大地からのパワーを身体に取り込みます。

人間は、立っていたり座っていたりするときには、大地に対して垂直で足の裏だけが地面についている状態です。しかし、寝るときは横になります。横になると、大地との接地面が広くなるのです。

接地面が広いと、大地から立ち上がる自然界の気を取り入れる面積が広がります。そのため、大地のパワーをたっぷりと充電することができるのです。

家相では、1階の形状や間取りを大変要視します。それは、1階が大地と接し、パワーを吸収する部分だからです。

1階が店舗やオフィスの場合、不特定多数の人のエネルギーによって荒らされてしまうため、2階以降の住宅部分へは、大地のエネルギーが伝わらないと考えます。

つまり、1階が住居でない物件に住んでいる場合、住人は大地のパワーをダイレクトに吸収することができないのです。そのため、十分に気を取り込めず、寝ても疲れが取れなかったり、落ち着いて物事を判断できなかったり、地に足がついていない生活になってしまいます。

その結果、気持や生活基盤が落ち着かず、不安を持ちながら生活することになるのです。その結果、売り上げも安定せず、基盤力に欠ける運営状態となります。

1階が店舗や駐車場の場合

1階が店舗やオフィスの場合、家相鑑定では「欠け(凶)」の物件と考えます。さらに、画像右にある「1階駐車場・2階事務所・3階住居」は2重大欠け(にじゅうおおがけ)と呼ばれる大凶の家相です。

なぜ、大凶とするのでしょうか。それは、先ほど述べたように、大地から必要なエネルギーを取り込むことができないからです。

家相鑑定のご依頼で、この形状の物件を使用している人がいましたのでご紹介しましょう。

このご相談者さんは、1階を店舗、2階を居住スペースとして使用されています。落ち着かない生活ではないかと伺いましたら、下にお客さんがいると思うと、音を立てないように気を使ったり、のんびりくつろげなかったりするとのことです。確かに、落ち着かないとおっしゃっていました。

また、このような家で子供を育てる際には、とくに注意が必要です。

自宅と仕事場が同じ建物内の場合、子供を迎えられるため、安心と考える方が多くいらっしゃいます。しかし、性格がつくられる時期に、地に足がついていない状態であるため、落ち着きがなく、じっとしていられない子になる傾向がみられるのです。また、現実逃避しがちな性質になってしまう可能性もあります。

実際にご相談者のお子さんは、両親ともにのんびりとした性格なのに、落ち着きがなく、授業中に集中できないとのことです。先生からも指摘され、悩みの種だとおっしゃっていました。

温度と湿度の差が上下関係に影響する

1階に店舗やオフィスを兼ね備えた物件に住む場合、使用していないときもあることでしょう。定休日や年末年始などお休みの期間中はとくに、夏は暑く冬は冷えた状態になります。そうすると、住居部分との温度差が生まれてしまうものです。この同一建物内で「温度差が生まれること」も家相では良く無いと考えます。

特に、駐車場になっている場合は、外気とほぼ同じ気温や湿度になってしまい、冬はかなり寒く夏はとても暑くなっていることでしょう。

この建物内の温度と湿度の差は、住人の心の温度差に繋がると家相では捉えているのです。

親の考え方と子供の思いに温度差が生まれたり、夫婦共同で店舗運営をしている場合、2人のこれからにかける思いにズレが生じてしまったりします。また、お客さんと経営者との思いにも距離が生まれてしまうのです。

このような、1階と2階以降に生じる温度や湿度の差は「上下関係に生じる思いの差」として表面化します。建物全体の温度と湿度を一定に保つことが、家庭内と事業の安定につながるのです。

したがって、これから自宅の1階を使用して、店舗運営をしようと考えているのであれば、計画を見直しましょう。

現在1階店舗・事務所・駐車場の吉対策

現在、そのような物件を使用している場合はどうすればよいのでしょうか。

理想的な対処法

ベストな対処法は、下記の2点です。

  • いまの建物を店舗のみに使用し、住居を別に構える
  • 1階部分を住居として使用することとし、店舗を別にする

つまり、店舗と住居を分けて使用することが、安定的な事業を展開するためには、理想的な方法といえます。

これから新店舗を作る計画がある方は、住居と店舗は分けるように計画してください。

しかし、資金面や土地の広さなどの関係でどうしても難しく、分けられない場合もあるでしょう。そんなときは、いずれ店舗と住居を別にするというイメージと希望を持ちながら、営業を継続してください。意識することはとても大切です。無理だとあきらめたその時点で、可能性は無くなってしまいます。

温度と湿度を一定にする

将来的にリノベーションを施したほうが良いことは分かったけれど、なかなかすぐには難しいと覆われる方もいらっしゃることでしょう。

そのような場合は、建物内の温度と湿度を一定にする工夫をしてください。

夏は、建物全体が一定の温度や湿度になるように、誰もいない階層でも、エアコンをつけて冷やしておくようにしましょう。冬は逆に温めておいてください。駐車場の場合は、面倒でも車の出し入れの際には、必ず毎回シャッターを閉めて、外気を遮断するようにしましょう。

安定的な運営と円満な家庭生活のために、電気代や手間を惜しまないでください。

信頼関係を深める努力が必要

1階が店舗やオフィスとなっていて、2階以降を住居として使用している建物を所有して事業を行う場合、お客さんへこちらの思いが伝わりにくくなってしまう傾向があります。

そのため、なるべくお客さんとつながる工夫が必要です。「メルマガを発行する」「クーポンを出す」など、接触頻度を高めるように、いろいろな方法を試してみましょう。そのようなものを通して、自分の思いをお客さんに伝えることを意識してください。

凶相の物件を使用して、店舗運営をすると、吉相の物件では必要のない努力や工夫が必要となります。このことも含めて、今後のことを考えていきましょう。

リノベーション実行後の感想

実際に「1階を美容室・2階を住居」として使用していた方が、店舗を別に構えることにしました。そして、今まで店舗として使用していた1階を住居として使うようにリノベーションを施したのです。

その結果、「いままでこんなに気を使って生活をしていたんだということに気づいた」「子供たちが落ち着いた」「スタッフの技術力と責任感が増した」とおっしゃっていました。

また、お客さんのリピート率も上がり、利益が上がったため、予定よりも早く改装資金は取り戻せたそうです。

まとめ

起業する際に、店舗やオフィスを自宅の1階を使用することは、家相の観点から見ると大凶です。

売り上げが今一つ上がらないだけでなく、落ち着いた生活ができません。また、お客さんとの関係性も気薄になりがちで、信頼関係の構築が難しくなります。

1階が店舗やオフィスとして使用されている物件の2階以降に住むと、地に足がついていないため、落ち着いた生活ができず、不安がどうしてもぬぐえない生活となります。

売り上げ、事業の拡大、運営にもよくありませんし、生活面でも問題が生じるため、店舗やオフィスは別で設けるように事業計画をたてましょう。